その1に引き続き、君の井酒造さま訪問&蔵見学の詳細をご報告!







山廃用の酒母室をいったん退出。

比較の意味も込めて速醸もともいくつか見させていただきました。





【念のためのおさらい】

・山廃仕込み

生もと系山廃酒母による仕込み。※"もと"=酒母。

まず米、米麹、水を投入したタンク内に自然発生する乳酸菌を取り込み、ある程度育成させた段階で酵母菌を投入し酒母を作る。育成までに時間がかかり工程も

手間と力が要る。

強く独特な乳酸の香りと酸味のあるお酒ができる。

詳しくは昨日更新した「その?」を参照。



・速醸もと

米、米麹、水に加え、最初から酵母菌と乳酸菌を添加して育成させる酒母。

山廃もとよりも育成期間が短く(約半分)、工程も比較的簡単。

現在の酒造りの主流。 





速醸もとの場合、2日目でこの溶け具合。山廃もとの初日と比べても見た目からして全然ちがいますね。





撹拌を体験させていただきました。タンクの底まで強く突き、しっかり引きあげる。外から内へ、内から外へ。これでも結構な労力を使います。



ちなみに今回は山廃もと⇒速醸もとの順番で見学させていただいたのですが、逆(速醸⇒山廃)は危険なのでダメだそうです。

すでに添加されている速醸もとの乳酸菌、酵母菌を体に帯びさせた可能性があるまま山廃もとに近づくのを防ぐため、という理由があるとのこと。

なので杜氏も、まずは山廃酒母室での作業を終えてから、速醸酒母室の様子を見るそうです。







酒母室に唯一あった、小仕込みタンク。大吟醸とのこと。





↑のタンクには上から中の様子を見られるように足場が組んであります。

そこから見た酒母室の様子。

左奥に見えるクリーム色の扉が、山廃酒母室への入り口です。





酒母室を退出。

外で蔵人さんが「瓶火入れ」中でした。大吟醸の一部に採用しているそうです。







山廃もと用の櫂(かい)。これでタンク内を突いてほぐします。

速醸もと用のそれは先が平らな板状になっています。

繰り返しになりますが山廃もとはとにかく硬い期間が長いので、先が細くないとタンク中に突けないのです。



ちなみにこの櫂を持っていただいているのは、君の井酒造の早津杜氏。

見学後は控室で杜氏と営業さん、あと仲間の酒屋さんとの4人で、酒造りについてお話。軽くお話させていただくつもりが、かなり濃い質問&議論に発展しました。



・甘口/辛口のお酒をつくる方法いろいろ

・山廃仕込みのお酒に対する関信局の審査の裏話

・酒の保管と状態変化について

・「生酒でない限り、お燗したほうがお酒は美味しい」

・火入れ、加水、濾過…それぞれの工程を経た直後よりしばらく間を置いた方が味は落ち着く。



などなど、別エントリィにしたほうが膨らませやすそうな話題を提供していただきました。私もまだまだ勉強、勉強!です。



大吟醸などつくる量が少ないお酒に関しては、いまも目の届きやすい甑(こしき)で蒸し米を作っています。

(※スミマセン、蒸し米をつくる工程を専門用語で「ジョウキョウ」と呼ぶのですが、漢字が出てきませんでした… "蒸"に、"食編に強"と書きます。)



今期の大吟醸づくりは、すでに三段仕込みまでは済んでいるため、今冬この甑はお役御免です。

大吟醸にかかっている間は、どの蔵元さんも手一杯で、訪問させていただくにはお邪魔が過ぎると考え、遠慮させていただいていました。





甑の上は、蒸気が抜けるように空いていました。この日は天気も良かったです。



というわけでかなり充実した蔵見学となりました。

理屈でわかっていても、実地を体験するとまた理解も深まるというものです。

日本酒は、やはり手がかかっている飲み物なんだと、今更ながら(というか、蔵見学のたびに)深く実感しました。

それをどういう風に魅力として皆様にお伝えできるか、私たち小売酒販店の役割だと考えています。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

今冬も蔵見学はまだまだ続きますので、また稿を改めてご報告させていただきます。

よろしくお願いいたします。



ほていや酒店公式ブログ「布袋屋瓦版Online」、2014年2月5日の更新でした。

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